【特集】覆盆子導入までの軌跡

Ⅰ.知って食べよう覆盆子!

覆盆子とは?

〇覆盆子はバラ科のトックリイチゴ(学名:Rubus coreanus)で、日本、中国、韓国全土(日本海沿いを除く)、海抜50~1000m山麓の陽当たりの良い場所に自生する。

〇落葉灌木で幹は3m程度、先が曲がり地面につくと根を張り、幹は紫がかった赤色、白粉に覆われておりトゲがある。

〇葉の付き方は互生、羽状複葉であり、3枚の小葉から成る。不規則で鋭利な凹凸があり葉柄にトゲがある。

〇5月の初~中旬に開花、白い花びらが5枚。枝の先になる実は小さい集合体で丸く、6月中~下旬に赤い実となるが、後に完熟すると黒色になる。

〇覆盆子の実は、韓医学でいう強腸、強精、遺尿、小児遺尿、盆気軽身、補肝明目などに、昔から利用されてきた。

〇バラ科のキイチゴ類には覆盆子以外にも、山イチゴ、ナワシロイチゴエビガライチゴクサイチゴビロードイチゴ、タケシマイチゴ、フユイチゴサナギイチゴヨーロッパキイチゴカジイチゴなどがある。

覆盆子の有効成分は?

〇実には炭水化物、有機酸、ビタミン、色素成分、その他の微量成分などが含まれる。炭水化物にはぶどう糖(43%)、果糖(8%)、ショ糖(6.5%)、ペクチン、タンニン、シアニジンクロリド、アセトイン、β-ヨノン、ベンズアルデヒド、粘液、トリテルペン配糖体などが含まれる。

〇有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、ワイン酸、サリチル酸、カプロン酸、ギ酸、アスコルビン酸などが含まれる。

〇ビタミンはビタミンB, Cが含まれる。

〇色素成分には、カロテン、ポリフェノール、アントシアン、塩化シアニン配糖体、ベンズアルデヒド等が含まれる。

覆盆子が好まれる理由は?

実の効能

〇男性の気力、精力、男性機能の向上

〇気力回復、体が軽くなる、白髪の改善

〇滋養強壮:体力を補い、体を温め、性機能を高める

〇疲労回復、肝機能の回復、視力向上

〇肝・腎機能の向上、尿量の減少、肺塞栓症の改善

〇男性の精力を保ち、遺精を改善

〇女性の子宮に起因する不妊症を改善、妊娠しやすくなる

〇発汗解熱作用があり、風邪、熱性の疾病、肺炎、咳の治療薬として使用

〇タンニン成分に抗がん効果があり、がん予防に使用

〇豊富に含まれるポリフェノールの抗酸化作用で老化防止

〇サポニンが咳や痰を抑え、コレステロールの代謝を促進

〇β-シトステロールが利尿、胆汁の分泌を促進

葉、根、花の効能

〇葉と花の煮汁は痔、目の炎症を改善、神経衰弱、高血圧、動脈硬化の治療に使用。

〇根を煎じたものは、アレルギー性または感染性の気管支喘息、湿疹等、アレルギー性の疾患治療に使用。

〇葉の煮汁は、下痢止めや止血薬に使用。

〇花を煎じたものは子宮の炎症、神経衰弱、急性・慢性の感染性疾患の改善に使用され、蛇に噛まれた時の薬、虫刺され薬として使用される。

〇葉、茎、根は内分泌腺に影響し、子宮収縮を活性化する。

Ⅱ.覆盆子の試験事業

  • 覆盆子試験、研究結果 農家への技術普及

〈栽培研究〉

〇施肥法の研究:最大量と品質向上、使用量、散布適正時期の研究

〇病害虫の防除:病害虫の発生経路究明、薬剤選択

 -虫害(5種)、病害(4種):処理時期、処理量、薬害、防除効果の調査

〇雑草防除:化学的な防除(土壌処理型3種、茎葉処理2種)、処理回数、処理時期、処理量、防除効果、薬害調査、防除効率の調査

〇樹形開発:支柱(T,I,11)形の改善、茎数の確保方法と配置

 -夏季、冬季の剪定の高さ、時期別にY, 1字形の開発

〇栽植距離:樹齢を延ばすための単位面積あたりの最大数量

 -列間距離200cm、株間距離35cm

〇防雨型の開発:夏季、冬季の剪定方法、1,2次測定数、樹形

〇防雨施設改善:防雨開閉機の高さ150cm+開閉機の高さより110cmプラスした高さに設置

〇収穫機開発:農村振興庁の機器化研究所推進(完成段階)

〈新品種育成〉

〇韓国内の遺伝資源収集:6品種42地域、1100株、12項目の特性調査

〇海外の優秀な遺伝資源収集:8品種150株を保存、特性調査し優良な形質を発掘

〇ソンウン産覆盆子のうち、優秀な個体を選び育成:トゲの大きさ、密度、糖度、果汁

〇品種間の花粉親和力試験:貯蔵温度、貯蔵期間

〇種子の発芽試験:化学的処理(ホルモン、化学薬品)、物理的処理(層積試験)

〇優良種の育成:ソンウン産覆盆子と優良品種の交雑、交雑実生苗の特性調査

〈多様な加工製品開発〉

〇覆盆子を使ったジュース開発:エキス濃度、その他保存料の添加量別

〇覆盆子を漬けたお茶開発:覆盆子の熟度別、砂糖の濃度別

〇家庭用の覆盆子酒製造試験:熟成期間、焼酎添加量、砂糖の濃度

〇覆盆子酒の製造試験:発酵酒(酵母の種類、発酵期間、熟成期間)蒸留酒

〇覆盆子の貯蔵技術開発:貯蔵温度別、物性および色・光沢の調査、硬度調査

〇大衆向け覆盆子飲料の製造技術開発:エキス濃度別、保存料添加別

〇覆盆子発酵酒の高品質化研究:発酵容器別、発酵温度、熟成期間

〇覆盆子を添加した麺の製造試験:エキス添加量

〇覆盆子葉茶の製造技術開発:蒸し技術、服用回数別、粉末の大きさ

〇覆盆子コチュジャンの製造技術開発:覆盆子エキス量、補助剤の量別

〈覆盆子酒の地域表示登録〉

〇目的

-高敞郡覆盆子のブランド、品質、産地特性を維持するため、地域表示登録を行い、詳細事項を規定、管理することにより、継続的なブランド力の維持と販売促進、所得向上を目的とする

〇推進事項

-申請日:2003.6.19

-地域表示登録審議会と現地確認:5回

-地域表示登録申請の公示:1か月間は異議申請受付

〇登録日:2004.1.15(地域表示制度 第3号)

*第1号:ボソン緑茶、第2号:ハドン緑茶

〇表示名称

-ハングル:”고창복분자주”

-英文:”Gochang Black Raspberry wine”

-漢字:“高敞覆盆子酒”

〇登録庁:国立農産物品質管理院

〇参加業者

業者名 代表者 所在地 竣工 年度 規模 生産量(トン) 備考
ソンウン産 覆盆子酒 イム・ドンギュ 高敞郡ブアン面ヨンサン里44-8 1994 4000(500)坪 2520  
名産品 覆盆子酒 ノ・グァンノク 高敞郡アサン面バナム里39-1 1994 1055(413) 坪 1872  
コインドル 覆盆子酒 ユ・ビョンジュン 高敞郡アサン面ゲサン里384-2 2001 3500(286)坪 720  
  • 2005年 試験研究事業

ア. 体系的栽培技術の開発、農家への普及

〇安定的な覆盆子供給のための面積拡大:2005年→913ha、3749農家

-全国栽培面積:28市郡、2250ha、7684農家

〇収穫開発、施肥法、剪枝剪定、病害虫薬剤の選定事業は引き続き向上試験を推進

〇収穫時期の短縮、果重肥大試験による技術開発、普及

〇高品質の覆盆子生産のため防雨栽培技術の開発、普及

-防雨ハウス栽培面積:2004年→78ha、2005年→160ha

  • 優良な新品種育成試験

〇優良品種交配実生苗の栽培管理、特性調査と選定

〇交配実生苗の実と覆盆子実の主要成分分析、比較

〇ソンウン産栽培種の優良個体を選定

〇突然変異の誘発:組織培養基準制定、カルスの増殖、放射線処理

〇優良品種間の交配:ソンウン産覆盆子(♀)×優良品種(♂)

〇海外優良遺伝資源の収集:高糖度、多収穫品種、トゲなし品種

ウ. 覆盆子の多様な加工製品開発と機能性分析

〇差別化した加工製品開発と製品安定化試験

-覆盆子飲料、お茶、麺類、ジュース、ジャム、味噌、コチュジャンなど

〇副産物を利用した製品開発:葉茶、酒類の副産物を利用

〇覆盆子の生実貯蔵試験:インターネット販売、スーパー等、生実の流通促進

〇覆盆子の商標登録と使用許可推進:商標名→ソンウン産覆盆子

-特許追願:覆盆子を使った機能性飲料開発 他4件

〇覆盆子加工製品展示、宣伝:各種行事、展示会

  • 覆盆子事業発展のための支援事業

〇覆盆子観光ビレッジ事業:生産施設、加工施設

〇覆盆子生産基盤施設:防雨ハウス施設の支援

〇覆盆子を使用した機能性茶の加工生産施設支援

Ⅲ.栽培技術分野

1.原産地と由来

〇覆盆子はイチゴ科の落葉灌木で、高さは3m程度、先が曲がって地面につくと根を張り、幹は紫がかった赤色、白粉に覆われている。

〇韓国に自生する木イチゴは10種余り、分布地域は日本、中国、韓国の済州島および南部地方、中部地方の海抜50~1000m地域山麓の陽当たりの良い場所に自生する。

〇外来種は非常に多く、400種ほどあり、主な栽培品種はラズベリー(レッドラズベリー、ブラックラズベリー)、ブルーベリーなどがある。

〇ラズベリーの原生種はヨーロッパ、北米に自生しており、ヨーロッパの原生種は昔から知られている。

〇ブラックベリーの原生種はアジア西部、ヨーロッパ、アフリカ、南北米に自生しているが、栽培し改良されたものは主に北米の原生種である。日本では70種以上の野生種が自生している。

〇木イチゴ類は野生種が多く、昔からその果実を採取し利用してきた。

〇ラズベリーは16世紀になって初めてイギリスで栽培が始まり、18世紀末にはヨーロッパから北米に伝わった。19世紀後半から品種が急激に増え、栽培も増加した。

〇ブラックベリーやデューベリーは19世紀に北米で栽培が始まり、1950年からは有望品種として広まった。

□覆盆子の主な流入

〇『韓国の伝統民俗酒(漢陽大学出版院 イ・ヒョジ著)』には、朝鮮中期に日本から入ってきた外来種であることが簡略に記載してあり、『韓国外来種流入史研究(修学社 チャン・ジヒョン著)』では、流入経路を詳細に記録している。代表的な根拠資料をもとに調べた流入経路は以下のとおりである。

〇朝鮮孝宗6年(1655年)、乙未通信使節の従事官であったナム・ヨンイクの『扶桑日錄』には、通信使一行が日本に滞在した際、対馬の官人、宗義盛から重箱3種と忍冬酒1本、覆盆子酒2本を贈り、香りと味がとても良く、日本では高級品であると記されている。

〇肅宗44年(1718年)戊午通信使の製述官シン・ユヘの『ユヘ録』では、日本の酒蔵では桑酒、海酒、忍冬酒、覆盆子酒などの酒が有名であったと伝えている。

〇日本の森末義の食物史での見解には、忍冬酒を含む覆盆子酒などは鎌倉時代(1185~1333)から存在しており、室町時代(1338~1573)に入り、それらの酒を専門的に醸造する職業があったとしている。

2. 生理的特徴

ア. 枝葉の伸長

〇春に地下茎の吸枝が生育し、それが翌年に結果母枝になる。

〇結果母枝の発芽期は、高敞地方では3月下旬、展葉期は4月上旬~下旬である。展葉期の数日後、結果枝になる新梢が大きくなり始める。

〇覆盆子の結果母枝から5月上旬までに新梢が出るが、成長すると長さ30~60cmになる。葉は互生で羽状複葉、小葉は3枚で卵形または楕円形、葉先は鋭く葉底は広く丸い。葉の長さは7~10cmで不規則、縁は鋭利で細かい毛で覆われているが、次第になくなり裏側の先にのみ少々残り、葉柄にはトゲがある。

〇一方で地下茎から吸枝が出て1年で枝になり、成長すると3~5m程度まで伸びる。

  • 結果習性

〇花芽は腋花芽であり、春に生育した地下茎の吸枝が翌年に結果母枝になる。結果枝は30~60cm程度に育ち、中央に花序を6~8個形成し、節ごとに1~3個の実を付ける。結果母枝は実を収穫した後、自然に枯れる。

  • 開花結実

〇花は新梢の節々から1~3個程度の花序を形成し、一番端には6~8個の花序を形成し結実する。覆盆子の花は小さいものが密集しており、節の端部分から開花が始まり、3~5番目の花が徐々に咲く。

〇開花時期は高敞地方では5月上旬に始まり、5月中旬には散る。開花期間は10~15日である。

〇栽培種の覆盆子の開花は、一般的に野生種より早い。

〇花は白く花弁は5枚である。覆盆子の花の形は丸いほうであるが、少し上に向いて咲く。

〇開花後5日目で花弁が落ち、1か月程度で実が赤くなり、その後、黒く熟す。一般的に自家結実性があり、自然な状態で放置しても結実しやすい。

  • 果実の特徴と発育

〇覆盆子の果実は小核果の集合体であるが、1個の花托の上に80~100個の子房があり、開花後数日で発育が始まり、各々小核果となる。

〇各小核果には1個ずつ種がある。集合果は花托を中心に発育し、品種により小核果の数と大きさが異なる。

〇成熟期の果実の着生状態は、覆盆子とラズベリーは集合果が花托から分離し、花托は花盤に残っている。

〇そのため覆盆子とラズベリーは花托が分離して果形が崩れやすく、円形を維持するのが難しい。

〇ブルーベリーとデューベリーの成熟した果実の着生状態は、花托は集合果と一緒に花盤から分離する。よってブルーベリーとデューベリーは集合果と花托が付着しているため、収穫後に各小核果は互いに離れず果実の円形を保っている。

  • 環境条件

〇ラズベリーは耐寒性が強く、夏には涼しい気候向きで、寒い地方や高冷地に適している。耐寒性は-20℃が限界である。

〇覆盆子は韓国全土どこでも栽培でき、寒さには非常に強い。

〇覆盆子は茎の中が空洞であるため、風による被害を受けると茎に傷がつき、病気に感染しやすく、枯れやすい。葉もまた、被害を受けて葉が落ちると栄養分の貯蔵ができなくなり、茎が弱いため病気にかかり枯れる傾向にある。そのため覆盆子の生育には、風による被害が少ない場所が適している。

〇覆盆子は根が浅いため、排水性に優れ、水分を維持できる土壌が最も良い。(散水設備を設置すると良い)

〇最も良い土壌は有機質が豊富で保水力に優れた砂壌土が適しており、土壌の酸度はPH5.5~7.0の範囲でよく育つ。

  • 品種の特性

ア. 品種

〇高敞地方で栽培しているソンウン産覆盆子(ブラックラズベリー)と野生の覆盆子は、枝先が垂れ下がったアーチ形、山イチゴ(ラズベリー)は木の幹が直立形である。

〇ナワシロイチゴ、サナギイチゴ、フユイチゴは葡蔔性、エビガライチゴ、クサイチゴ、ビロードイチゴ、タケシマイチゴ、ヨーロッパキイチゴ、カジイチゴは半葡蔔形と直立形がある。

  • 主要品種の特性

(1)覆盆子(Rubus coreanus Miq)

〇韓国全土の標高50~100mの渓谷や山麓で育つ落葉灌木で、幹は高さ3mほどになり、アーチ形となった後、地面につくと根を張り、幹は紫がかった赤色、白粉に覆われており、トゲがある。

〇葉は互生で羽状複葉、小葉は3~7枚で卵形または楕円形、葉先は鋭く葉底は広く丸い。長さは3~7cmで不規則、縁は鋭利で細かい毛で覆われているが、次第になくなり裏側の先にのみ少々残り、葉柄にはトゲがある。

〇5~6月には白い花が咲き、散房花序で枝の端に付き、がくには毛があり、卵状の披針形、花びらはがくより短く倒卵形で灰色、子房にも毛がある。

〇6月上~下旬に実が成熟し、重さは2.0g、核果は丸く赤色に熟すが、後に黒色になる。白粉は落葉の後により目立つようになり、実は生食用に、また乾燥させ強精剤に使用される。繁殖には母樹の先から生じる苗木を利用する。

(2)山イチゴ(Rubus crataegifolius Bunge)

〇韓国全土の山野に自生する灌木で、高さ2mほど、中国と日本に分布している。葉は卵型または楕円形、3~5つに分かれている場合が多い。花は白く両性花で、枝先から5~6月に開花する。花びらは5枚で雄しべは赤い。

〇成熟した実は2.0gほどで形は丸く、7~8月に朱色に熟し、薬用やジャム、パイ作りなどに使用される。繁殖には根から生じる新しい苗を採取し、苗木とする。

(3)覆盆子とブラックベリーの違い

区分 覆盆子 トゲなし木イチゴ(ブラックベリー)
相違点       *学名:Rubus coreanus Miquel *実:黒色 *繁殖方法:幹先繁殖 *樹形:半匍匐性 *幹:紫帯びた赤色、白粉に覆われている *葉:羽状複葉3枚の小葉、卵形 *樹高:落葉灌木3m *収穫期:6月上旬~下旬 *糖度:10-12Brix *色沢(L,a,b):100% *果重:4g/1個 *収穫量:540kg/10a *韓国内価格:7000W/1kg *国際価格:3.68$/kg *香り:特有の香り(松香) *学名:Rubus argutus *実:黒色 *繁殖方法:幹先または根繁殖 *樹形:直立性 *幹:赤茶色 *葉:羽状複葉5枚の小葉、卵形 *樹高:落葉灌木4m *収穫期:7月上旬~下旬 *糖度:6-8Brix *色沢(L,a,b):50% *果重:4g/1個 *収穫量:600/10a *韓国内価格:3500W/1kg *国際価格:1.96$/kg *香り:特有の香りなし
  • 繁殖生産方法

ア. 優良苗木の生産方法

〇覆盆子の幹はアーチ型で3~4mにまで生育し、幹先が地面につくと発根し一つの個体となるが、これを苗木という。

〇幹の先の生長点から発根するためにサイトキニンが増加し、土壌に接すると根を下ろす。

〇発根したひげ根が土に根を下ろすためには、地面の土が柔らかく湿気を含んでいる必要があり、そうすることで苗木の採取もしやすくなる。

〇稲わらでマルチングをした場合、地面が湿気を含み土が柔らかくなるので発根に良い。

〇幹先が地面に接する時、風を受け動くと先が傷つき、根を下ろせなくなる場合が多い。より多くの苗木を採取するためには幹を固定し、先端を埋めてやると発根しやすくなる。

〇根を下ろした幹先が湿害を受けると、幹が腐り枯れる場合がある。湿害を防ぐための排水整備が必要である。

イ.実生苗木の繁殖方法

播種前の種子管理:覆盆子の実を収穫後、果肉を除去した実を1か月ほど冷凍、冷蔵保管しておき、6か月以上、層積貯蔵する。

〇播種:苗圃場に3月下旬に幡種し、5月中旬頃に本圃場に定植すると良い。

〇実生繁殖方法の短所

-まず、種子の発芽率が低く、発芽率を上げるためには技術が必要である。

-初期成育が悪く、収穫量が非常に低い。

-種子管理から播種、定植まで作業管理が難しい。

-種子から苗木繁殖することに経済的なメリットがなく、この方法はあまり使われない。

ウ.実生苗木の繁殖方法

〇挿木の時期:3月中旬~4月上旬が理想的である。

〇挿木の長さ:20cm程度が最も良く、根の発根量を増やすためには葉芽を2~3個(

10cm)程度、土中に埋めると良い。

〇挿穂の直径は0.7cm程度が良く、幹の中央が空洞になっており水分蒸発量が多いため、密着させると発根率が高くなる。

〇挿木の短所

-発根率が50%ほどで、根の量が少ない。

-初期成育が悪く、収穫量が非常に落ちる。

-栽培管理作業が難しい。

  • 定植

ア. 栽培適地

〇覆盆子の根の深さは60cmまでになるが、8割が地面から30cmほどで生育しているものである。

〇覆盆子は湿害に非常に弱く、栽培適地は地下水位が低く、土深が深く、水はけの良い土壌がふさわしい。

〇空気循環が良い土壌または砂壌土、有機物が豊富な土壌でなければならない。

〇土壌の酸度は弱酸性(Ph5.5~6.5)が良い。

〇栽培適地の傾斜は15度程度の場所が良い。覆盆子はバラ科の植物であるため、髄が幹の60~80%を占める。

〇覆盆子は風害に弱く、夏の台風被害が少ない場所が良い。

-夏の台風にさらされた場合、幹と葉が傷つき、枯れたり落葉して養分を失い、病害虫が侵入しやすくなる。

〇成育後期まで、十分な養分を蓄えられない場合、幹が冬に寒風を受けて枯れたり、病害虫により枝が腐る場合が多いため、土壌力が強い場所であるほど良い。

〇覆盆子は浅根型であるため干害に弱く、水不足に対応する冠水施設があるほうが良い。

イ. 定植前の土壌管理

〇覆盆子は一般の灌木とは異なり、根が浅根型のため、成育中に穴を掘り堆肥を使用することが難しい。このため定植の前年に必ず発酵堆肥を10a当たり10~15トン、未熟堆肥1000kg、石灰150~200kgを土壌全面に散布し、深さ30cm以上に2~3回程度耕耘する。

〇定植の2~3週前に畝をつくると、土壌の毛管水が形成され、定植したときに根が活着しやすくなる。

〇覆盆水の苗木はひげ根が多く、脆弱で塩類に非常に弱いため、希薄肥料や塩類が多い鶏糞肥料は使用してはならない。

ウ. 良い苗木の選び方

〇苗木は病害虫が発生しない圃場で採取した無病株を選ぶと良い。

〇苗木の長さは20cm程度、苗木の厚みは直径が太く根が多ければ多いほど良く、長期間仮植されていない苗木が良い。

エ. 定植

〇植える時期は土壌の水分が多い春植え、落葉後の秋植えがある。

-春植え:高敞郡は土壌が雪解けした後、3月10日前後に植えるのが最も良く、遅くとも4月10日(芽が出る前まで)より前に植える必要がある。

-春植えは早く植えるほど根の活着が良く、翌年の収穫量を増やすことができる。

-秋植え:晩秋の落葉が完全に終わってから11月25日前後に植えるのが最も良く、遅くとも12月初旬までに植える必要がある。

〇植える時期は、春よりも秋のほうが根の活着と生存率が良い。

〇春の植える時期が遅すぎると結果母枝が発芽してしまい、草も生えてくるため根の葉着と生存率が非常に落ちる。

-定植時、既に発芽していれば一時成育が止まり再び成育し始めるが、長期間を要し、新芽の数が少なくなり成育が遅れるため、収穫量減少の原因となる。

-定植時、その年の新芽が出ていると幹が硬化し成育不良になったり、新芽の数が少なく収穫量減少の原因となる。

〇苗木の採取後、早い段階で植栽すると生存率と活着率が上がる。

〇苗木を植栽する時、根をまっすぐに伸ばし、根から上に2~3cm程度まで植えると、新芽の発生と干害、湿害予防に良い。

オ. 栽植の距離

〇農家で栽培している既存の覆盆子の畝は150~180cm程度、株間40~60cmで植えている圃場が多いが、覆盆子の幹の生長が著しく、陽当たりと風通りが悪くなるだけでなく、管理もしにくくなるのが実情である。

〇定植する時、栽植距離は土壌の地力により多少の差はあるものの、標準的な地力の土壌では、栽植距離が200cm、株間距離30~40cmで植えるのが最も良い。

カ. 定植後の管理

〇若い苗木を定植した後、管理時に注意する点としては、春の水不足で枯れる場合が多いことから植栽時に十分に水を与え、土壌の水分を観察し、根が完全に活着するまで1~2回水を与えることが重要である。

〇植栽後、藁などで覆い、水分蒸発や雑草の発生を防ぐ。

〇若い苗木を定植した後、根が活着し、5月初旬頃に新芽が1~3個ほど出てくるが、強く厚みがあれば地上から30cm程度に育ち、しっかりした結果母枝を多く確保できることから、収穫量を増やすことができる。

〇苗木の源幹を切ってやると、養分が新芽の生長にのみ使われ、新芽の生長が早く丈夫なものになり、収穫量を増やすことができる。

  • 支柱の設置

ア. 支柱の設置時期

〇支柱の設置時期は、植栽後から新芽が30cm以上になる前の5月中旬までが最も良い。

〇支柱の設置時期を逃すと、幹が生い茂り、支柱を設置しにくくなる。また幹が硬化し、引っ張ると枝が折れたり幹がまっすぐにならない。

〇支柱の設置後、新芽の幹が生長するのに合わせて支柱を固定すると良い。

〇支柱設置時、高さと長さは覆盆子の圃場の地力と地形を考慮し決定する。

イ. 支柱の種類

(1)Ⅱ字形支柱

〇支柱をⅡ字に設置する方法で、一般的に農家で最も多く利用されている。

〇製作には25mmパイプを使用、全長を160cmとし、両側をⅡ字にして40cm間隔で地中に40~50cmを埋め、地上部分は110~120cmを出すようにする。

〇紐や鉄線を1段と2段に設置する。1段は地上から60cm程度に設置、2段は先端に設置し2列で平行に設置する。

〇支柱間の距離は4m程度が適している。

(2)T字形支柱

〇支柱をT字に設置し、Y字の樹形になる。農家ではⅡ字の次に多く利用されており、使用資材は少ないが、設置が若干難しい。

〇製作は25nnパイプを使用、全長を160cmとし、地中に40~50cmを埋め、地上部分は110~120cmを出すようにする。

〇鉄材の横の長さは40cmにし、1段と2段で設置する。1段は地上から60cm程度に設置し、2段は先端に設置する。

〇支柱間の距離は4m程度が適しており、支柱間をつなぐ針金は14番の鉄線を使用、2列で平行に設置する。

(3)I字形支柱

〇1字形支柱とも呼ばれ、1段または2段で支柱を設置する方法である。一部農家で利用されている。

〇支柱の高さは一般的に110~120cmとし、1段は地上から60cmの高さに14番鉄線を平行に連結し、2段では先端に14番鉄線を平行に連結する。支柱間隔は4m程度が良い。

〇I字形支柱の長所:最初の資材費と設置労働力が少なく、栽培圃場面積を効率的に利用できる。

〇I字型支柱の短所:覆盆子の幹を支柱にすべて固定する作業に相当の労力がかかる。

(4)∩字形支柱

〇栽培形態はT字と類似しており、T字と同様、地上からの高さは110~120cm、地下部分は40cmほど埋め、横の長さは40cm程度にして1段、2段で設置する。

〇T字形に比べ∩字形は支柱が丈夫で、台風の時に支柱が倒れることがなく、効果的である。パイプがT字より多く必要になるが、画像3のように製作すると簡単で丈夫である。

(5)T字形と∩字形の混用

〇2つのT字形を設置した後、∩字を1つ設置すると資材費を抑えることができ、横に倒れることも少なくなる。

  • 剪定技術

ア. 夏季剪定

≪1年目の夏季剪定方法≫

〇1年目の覆盆子は植栽後、新芽が平均2個程度出てくるが、5月初旬から5月中旬までは、新芽が出るとすぐに地上30cm地点(幹の先端)で切り落とし、1株当たり一次側枝数が3~4本、総側枝数が6~8本程度にするのが良い。

〇1年目の夏季剪定をしなかった場合、結果枝が多くなり、後に収穫量減少の原因となる。また一次側枝数が多くなりすぎると、冬に枯れの原因となる。

≪2年目以降の夏季剪定方法≫

〇2年目以上の夏季剪定を、4月下旬から新芽が40cmほど育ったところで、地上30cm程度で一次切り落とし、一次側枝を2~3本ほど生じさせる場合、

 -枝の切り落とし:一般的に樹が弱い場合、地力が良くない場合、樹齢が高い場合

 -メリット:十分に結果母枝を確保でき、厚みが程よく、翌年に結果枝ができやすい。

 -デメリット:一次側枝が早く出て生長するため、実を収穫しにくくなる。

〇2年目以上の夏季剪定を、4月下旬から新芽が40cmほど育ったところで、地上30cm程度で一次切り落とし、一次側枝を2~3本ほど生じさせた後、二次切り落としを収穫の直前に覆盆子の実(結果枝の長さより5~10cm)の部分で行う場合、

 -上記の方法で切り落とし:植栽4年の圃場、土壌、地力が良い場所、栽培面積が

多くない場合、

 -メリット:十分な結果母枝を確保でき、程よい結果母枝となることで、翌年の収穫量

増加、収穫作業が楽になる。

 -デメリット:二次側枝数が多く、冬季剪定時に人手が多くかかる。

〇2年目以上の夏季剪定を、5月中旬から下旬に新芽が100~140cm程度生長した時、地上60~80cm程度で一次切り落としをする場合、

 -上記の方法で切り落とし:収穫後、結果枝の即時除去が可能な圃場、植栽4年以下の

圃場で土壌・地力が良い場所、栽培面積が多い場合

 -メリット:収穫作業がしやすい

 -デメリット:一次側枝が弱く、冬の枯れや収穫量減少の原因になる、結果母枝の高さ

が高く、収穫量が減少

〇夏季剪定時、新芽が大きく育っている幹を切り落とさないよう注意する

〇夏季剪定後、一次側枝が3~6本程度生じるものが多い。

〇覆盆子の収穫後、結果枝は自然に枯れるため、新芽の生育を良くするためには収穫した結果枝をなるべく早く取り除くほうが良いが、夏に根元を切っておき、翌年の春に取り除くようにする。

イ. 冬季剪定

〇冬季剪定は新芽の発芽前に行うのが良く、前年に切った結果枝を一緒に取り除く。

〇覆盆子は樹齢によって異なるが、平均1週間に3~4の枝が生じ、夏季剪定で分枝が出るため、結果母枝の総数は平均6~10本程度である。1週あたり、丈夫な枝は6~10本程度残し、残りは取り除くようにすると、結果母枝が丈夫に生育する。

〇覆盆子の幹は3~5mに生長するが、そのままにしておくと栽培管理と収穫が困難となる。また光合成作用と風通しが悪くなり、収穫量減少の原因となることから、必ず冬に枯れた枝の除去と冬季剪定をする必要がある。

〇冬季剪定の位置は樹の生長状態を考慮し、支柱の高さより5~10cmほど上の部分で切り、幹に固定する。

≪1年目の冬季剪定方法≫

〇1年目の覆盆子の冬季剪定は、地上110cm部分で行う

≪2年目以降の冬季剪定方法≫

〇2年目以降の夏季剪定を4月下旬から新芽が40cmほど育った時に行い、地上30cmほどで一次切り落とし、一次側枝を2~3本ほど生じさせる場合、

 -冬季剪定は地上110cmで行うのが良い。

〇2年目以降の夏季剪定を4月下旬から新芽が40cmほど育った時に行い、地上30cmほどで一次切り落とし、一次側枝を2~3本ほど生じさせた後、二次切り落としを収穫直前に覆盆子の実(結果枝の長さより5~10cm)の部分で行う場合、

 -冬季剪定は二次側枝より30cm以上、すなわち結果母枝の高さが130cmほどで行う。

〇2年目以降の夏季剪定を、5月中旬から下旬頃、新芽が100~140cm程度に育った時、地上60~80cmほどで一次切り落としする場合、

 -冬季剪定は結果母枝の高さ130cmで行う必要がある。

  • 施肥方法

〇土壌の肥沃度と、覆盆子の樹齢により施肥量を調整するのが望ましい。

〇肥料の種類は特に選ばないが、農家で理解しやすいよう、21-17-17複合肥料を基準に例を挙げた。園芸用複合肥料はN-P-Kの含有量が少なく、量を多めに使用する必要があり、長期間にわたり収穫量を確保するためには十分な有機物を使用することが重要である。

〇1年目の覆盆子は植える前に化学肥料を使用せず一次施肥は5月中旬頃、根が活着し新芽が出たら10a当たり複合肥料(21-1-17)を1包ほど、全面に撒布する。二次施肥は7月初旬に10a当たり複合肥料(21-1-17)1包を全面に撒布する。

〇2年目以上の覆盆子は肥料量がほぼ同じで、一次施肥は冬季剪定終了後、3月10日頃に10a当たり複合肥料(21-1-17)を1.5包、圃場全面に撒布し、軽く土と混ぜる。

〇二次使用は5月初旬頃、10a当たり複合肥料1包を施肥、三次使用は7月中旬頃に10a当たり複合肥料1包を追加施肥する。

〇覆盆子収穫後に管理を怠る場合が多いが、樹の生育が悪く葉が黄化し落葉してしまう前に、肥料を追加して生育を回復してやることが重要である。

〇この時、追加施肥が遅すぎると新芽が脆弱になり、凍害等、冬場の被害が大きくなることから、二次追肥使用は9月下旬までに行う必要がある。

  • 雑草防除

〇雑草防除をしない場合、覆盆子の受光性が悪くなり、枯れたり収穫量が減少したりする。

〇雑草防除には10a当たり1000kgの藁で覆うのが効果的である。時期は3月中旬頃、藁で覆う前に土壌殺虫剤で処理しておく。

〇現在の農家では6割ほどが雑草防除に稲藁を使用しているが、稲藁の使用量が少ない場合は土壌処理タイプの除草剤を撒布し雑草を防除する。

〇稲藁がない場合は黒いビニールを被せて防除する。

〇雑草発生時、非選択性除草剤であるバスターとグラモクソンを使用し、覆盆子に触れないように雑草のみ処理すると効果的である。

〇特にヨモギ類を除去する場合はバスターを使用すると良い。

〇稲藁を使用できない圃場では、土壌処理型除草剤(アーラ、デュアル、ストンプ粒剤)を使用し4月中旬頃に一次処理、6月初旬頃に二次処理した後、7月下旬頃に三次処理すると、ある程度雑草を防除できる。

〇また雑草の発生前に土壌処理型除草剤を1~2回ほど使用し、雑草が発生した場合には非選択性除草剤を1~2回ほど使用すると防除に効果的である。

〇多年生の雑草には、Glyphosete(グンサミ、デジャングン、グラシン、スパーク)等の除草剤を使用すると薬害が発生するため、使用しないこと。

  • 病害虫防除

覆盆子の病害虫は主に、スカシバ、コウモリガ、シロカイガラムシ、タマナギンウワバ、ダニ類、斑点病、疫病、炭疽病、てんぐ巣病、こぶ病などが発生しており、2002年度には、ほぼ全圃場に斑点病が発生し、被害を受けた。

ア. スカシバガ

〇スカシバガは1年に1回発生し、老熟幼虫で覆盆子の幹の中で越冬し、5月下旬~6月中旬に成虫になる。幼虫は覆盆子の幹下部分に害を与えながら中に入る。被害を受けた部分を観察すると、幹に穴があいており、そこに糞も見られる。

〇防除の適期は6月上旬から下旬である(覆盆子収穫後)。成虫になると産卵時期を考慮し10日程度遅らせ、10日間隔で有機リン系農薬を2回ほど散布する。被害を受けた枝を冬の間に切り落とし焼却する。

〇覆盆子の薬剤は登録されているものがなく、他作物用の殺虫剤のうち有機リン系農薬は次のとおりで、薬害や残留性に留意し使用するのが望ましい。

〇薬剤名:グロッピー水和剤、DDVP油剤、メップ水和剤、モーキャップ、ダスバン水和剤、メチオン油剤などがある。

イ. コウモリガ

〇コウモリガは2年に1度発生し、初年は卵で越冬すると考えられている。6月末頃に成虫に羽化し多数の卵を土に落とし、翌春に卵から孵化した幼虫が各種の草本植物に穴をあけて入る。そこで害を与えながら成長し、移動して覆盆子の幹などに侵入する。

〇化学的防除は、土にある卵から春に幼虫に孵化し被害を誘発することから、根のあたりに有機リン系の薬剤を散布し、幼虫を駆除する。

〇覆盆子の薬剤は登録されているものがなく、他作物用の殺虫剤のうち有機リン系農薬は次のとおりで、薬害や残留性に留意し使用するのが望ましい。

〇薬剤名:グロッピー、DDVP、メップ水和剤、モーキャップなど

ウ. シロカイガラムシ

〇バラの茎に円形で2~3mm程度の白いカイガラムシがみっちりと寄生し養分を吸うので、樹が弱くなり枯れてしまう。

〇1年に2、3回発生する。越冬したメスは4月ごろから産卵をはじめ、第1世代の成虫は6~7月、第2世代の成虫は8~10月に発生する。

〇防除薬剤名:ダスジン水和剤、ナーク水和剤、メップ水和剤など

〇適期に防除できなかった場合は、早春に石灰硫黄合剤、機械油剤を散布し防除する。

エ. タマナギンウワバ

〇濃い黄色の幼虫が覆盆子の先端をかじった痕が見られ、少しずつ幹を侵食し、やがて幹全体に害を与える。年間3~4回発生するが、最も大きい被害を与える時期は7月末~8月末で、幹の先に食痕が見られる場合に防除する。

〇薬剤名:DDVP油剤、ダスバン水和剤、ダスジン水和剤など

オ. ダニ

〇症状:最初は小さな斑点が少しずつ広がり、葉全体が茶色になり、ツヤがなくなる。ひどくなると蜘蛛の糸が張り、下のほうから葉が落ちていく。

〇発生原因:露地栽培では、バラの花が咲き終わった7月末頃から、晴れの日が続くと急に増加する。9月以降には問題が起こらない。

 -施設栽培では年中繁殖する

〇防除薬剤:サルビワン、ピナリカ、シナウィ、ミルベノック、ペンプロ、ハムソンなどを使用し防除。

カ. キスジノミハムシ

〇症状:葉に小さな穴が一の字の形にあく

〇発生:露地栽培では、一次発生は5月初旬頃に土から新芽の葉が出るとき被害を受け、二次発生は7月初旬頃で、葉に被害を受ける。

〇昆虫形態:ノミのように非常に小さく、黒色、ノミのように跳ねながら移動する。

〇防除薬剤:ダスジン油剤、パープなど

キ. ハマキガ

〇症状:幹先端の葉を巻いてその中に入る

〇防除薬剤:ダスバン、シンギロク、メリット、チュンモリ、ダスジン

ク. アザミウマ

〇症状:新芽の幹先端を吸って幹に傷をつけ、萎縮現象がおこる

〇防除薬剤:コニド、エイパムなど

ケ. 斑点病菌

〇病状:葉が広がると、若い葉に侵入し最初は2~5mmの茶色、暗褐色の円形の病斑ができ、発病がひどくなると黄化して葉が落ちる。

〇覆盆子では成育後期に発生する。成育初期には窒素肥料過剰により過剰生育も起こるが、秋に肥切れを起こすと発生するため、肥切れしないよう注意する。

〇覆盆子に使用する薬剤は登録されているものがないため、他作物の斑点病事例に準じて、試験の結果、効果が最も良好だった薬害のない薬剤を選んだ。

〇薬剤名:オティバ(液状水和剤)、プリント(液状水和剤)、アマスタ、パイコなど

コ. 炭疽病

〇症状:初期には葉に暗褐色の斑点ができ、次第に病斑の周りが暗褐色に変わり、ひどくなると病斑部分全体が暗褐色になり、葉が落ちる。

〇感染原因:不完全菌類の分生胞子が、風ではなく水によって感染する。

〇防除薬剤:カベンダ、ジオパン、キャプタン、ベノミル

サ. 白斑病

〇症状:葉芽から結果枝が出る春に発生し、結果枝が生長せず萎縮するもの(ロジェット形、てんぐ巣病)で、複数発生する。

〇感染:開花時期の5月から新しい結果母枝の葉芽に感染し、特に成育後期に台風や自然環境の影響で幹が弱くなると感染しやすい。

〇物理的防除:収穫後、感染した幹をすぐに取り除き、新しい腋芽が出る前に2年目の枝を切って防除する。

〇化学的防除:ベノミル、マンコジ、バイコ

サ. コブ病

〇症状:枝や域に発生し、最初は白や黄白色であるが、徐々に肥大し、時間が経つと黒褐色のコブになる。

〇病原菌:筋頭癌腫菌はバクテリアで出来ており、土壌中に生存しつつも水中を移動し伝染する。最適温度は22℃、10℃以下で発育停止、34℃以上で発育低下が顕著になる。

〇発病条件:土壌中の病原菌は樹の上部から侵入するため、害虫、食痕、霜害、台風被害などにより侵入口ができる。感染部位は地温の上昇とともに夏には急激にコブが大きくなり、地温が低い冬には一時的に繁殖がおさまる。

〇防除方法:健康な苗木を石灰水またはストラプトマイシン液に浸漬させて植栽

-汚染された土壌はクロルピクリン(PCP)で消毒、幹はPCP 0.5%、機械油乳劑100倍で殺菌、ボルドー液、石灰乳を塗布する。

11. 病害虫防除

収穫時期は気象、用途などにより異なるが、品種の独特な色、香り、甘味が出た段階で収穫する。ラズベリーは成熟期になると実が柔らかくなり、花托から落ちやすい。輸送が必要な場合は成熟の1日前に収穫すれば小核果が落ちにくくなり、果形の歪みが少なくなる。覆盆子は開花後25~30日経つと着色が始まり、さらに4~5日過ぎると成熟する。

その間2~3日間隔で熟したものから収穫する必要があるが、収穫は雨の日や気温が高い日は避け、朝の涼しい時間帯に行う。収穫方法は手摘みで、指先で軽く実をつまんで引っ張ると花托から簡単に分離する。生花の状態で移動させる場合、完熟した実を収穫すると輸送中に実の形が崩れてしまうことから、完熟の2~3日前、9割ほど熟れたときに収穫し、直射日光を避けて管理し輸送すると良い。

Ⅳ.覆盆子栽培と需給の展望

1. 覆盆子栽培と生産状況

〇栽培地域の拡大:ソンウンサ周辺->高敞郡地域に拡大

〇2004年度には総栽培面積が1086ha(高敞郡484ha、井邑市118ha、淳昌郡 251ha、その他 233ha)であった。

〇2005年度には総芝居面積が2250ha(高敞郡913ha、井邑市374ha、淳昌郡 502ha、その他 460ha)と全国的に1164haほど増加した。

〇その他、覆盆子の栽培地域

-全国39の市郡で栽培されている

〇その他山イチゴの栽培面積:53ha(晋州、浦項、沃川、金海など)

〇2005年度の覆盆子栽培面積の状況

区分 栽培農家数 栽培面積(ha) 生産量M/T 総収入(億ウォン)
高敞 3749 913 2733 192
井邑市 1217 374 700 42
淳昌郡 1953 502 1500 90
その他地域 1953 460 1100 66
8872 2249 6033 390

2. 2005年の覆盆子収穫量と増加要因

□増加要因

ア. 覆盆子肥大期の降雨

-2005年6月1日

-2005年6月10日

3. 覆盆子の需給展望

区分 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年
栽培面積 302 484 913 1100 1300 1500
栽培農家 1344 2154 3749 4500 5570 6400
生産量 600 1510 2733 5000 6500 7800
消費 予想量 高敞酒工場 買上量 300 510 460 1000 1200 1500
農協、個人買上量 50 100 587 800 1200 1500
外部 酒・加工業者 0 0 0 500 1000 1200
加工製品 買上量 10 150 307 700 1000 1200
民間消費 買上量 240 750 1379 1500 1500 1900
600 1510 2733 4500 6000 7300
過不足 0 0 0 500 500 500
所得見込み(億ウォン) 42 100 191 325 422 468

≪年度別 需給展望≫(単位:ha、戸、トン、億ウォン)

4. 2005年 高敞覆盆子の需給状況

〇高敞地域の覆盆子総生産量:2733M/T

 -高敞地域の覆盆子 買上量:1354 M/T

 -個人販売量:1379 M/T

〇高敞地域の覆盆子酒 加工業者の買上量:460トン

 -総買上量:1430トン(高敞地域 460トン、他地域 970トン)、高敞地域32%買上

〇その他加工業者:307トン(高敞地域 100%買上)

〇農協、市町村での冷凍貯蔵量:587トン

5. 2006年 高敞覆盆子の予想需給状況

〇高敞地域の覆盆子生産予想量:913ha, 5000M/T

-加工業者、農協など覆盆子の買上予想量:3000トン

-個人販売予想量:1500トン

〇2006年の覆盆子過剰予想量:500トン

6. 覆盆子過剰の対策

〇高敞覆盆子酒の工場へ、高敞覆盆子の買上誘導

〇覆盆子加工製品の生産業者に向け、高敞地域への誘致

〇高敞覆盆子の機能性、効能を宣伝

〇覆盆子観光事業の活性化

〇覆盆子エキスを使った様々な加工製品開発、高敞郡民の製造販売活性化

〇覆盆子の冷凍販売と輸出を模索

〇毎年増加する生産量を消費できる多様な覆盆子加工、販売事業の育成等、特別対策必要

〇覆盆子の関連行事を通じた消費促進

 -多様な加工製品づくり体験、試食会、生果割引販売

 -覆盆子加工製品と民族酒展示会、評価会の開催、販売行事

〇覆盆子酒の世界的なブランド化、世界市場開拓(ワイン、蒸留酒)

〇覆盆子を使用した多様な加工製品開発で消費拡大

〇覆盆子観光農園化の促進(都心の消費者向けツアー)

〇覆盆子による所得分析(10a当たり)

生産量 粗収益 経営費 農家所得 備考
600kg 3,600,000W 700,000W 2,900,000W  

※その他作物との比較

-スイカ:露地 420千ウォン、ハウス1071千ウォン

-露地唐辛子:1505千ウォン、梨 607千ウォン、りんご 554千ウォン

7. 世界の木イチゴ生産動向

〇主栽培国:新ユーゴ連邦 他25か国

〇主栽培種:ラズベリー、ブルーベリー、ローガンベリーなど

〇世界の生産動向:年間約232,210トン生産されており、飲料、製菓、パン、ジャムなどに加工使用

国家別 栽培面積(ha) 生産量(ton) 10a当たり収穫量(kg)
新ユーゴ連邦 9,910 58,877 594
ドイツ 5,255 31,933 607
ポーランド 12,602 38,919 308
イギリス 2,787 17,364 637
ハンガリー 5,862 17,962 306
北米 7,085 35,425 500
その他 10,760 31,730 290
54,256 232,210 463

※単価:ブラックラズベリー 4.21$/kg(生果)、3.68$/kg(冷凍)

    レッドラズベリー 3.27$/kg(生果)、2.56$/kg(冷凍)

〇日本の木イチゴ輸入動向

 -年間輸入量:約1000トン(1999年基準)

 -輸入形態:生、冷凍果糖、冷凍無果糖状態

 -平均輸入価(円/kg):生 1884、冷凍果糖 642、冷凍無果糖 399

 -日本のラズベリー輸入国

(単位:トン)

区分 米国 カナダ フランス オランダ 新ユーゴ チリ ニュージーランド その他
輸入量 262 330 175 65 24 87 31 69 1043

(資料提供:農水産物流通公社)

-用途:ゼリー、パン、アイスクリーム、洋菓子など

8. 加工製品一般

〇覆盆子の加工製品開発状況

 -現在覆盆子を使用した加工製品には、飲料、茶、麺類(そうめん、冷麺)、ジャム、

丸薬、顆粒茶、葉茶などがあり、覆盆子の原産地としての知的財産権を獲得するため

覆盆子製品の商標登録と製品特許登録を行った。

 -覆盆子加工製品の地域観光商品化を推進、製品宣伝のため、マスコミ向け広報活動、展示会等を計画

〇食品の特性

 -従来の食品特性

 ・生命維持に必要な栄養素を供給

 ・食品摂取時、味を出す機能

 -新しい食品の特性

 ・身体調節:高次元での身体活動に関する機能

 ・身体防御:免疫機能回復食品、リンパ系刺激食品、アレルギー改善食品

 ・身体リズム調節:神経系調節食品、消化器調整食品

 ・疾病予防と回復:高血圧、抗がん、健康補助食品

 ・老化予防:過酸化脂質生成抑制食品

〇飲料市場の展望

 -飲料市場規模は年間2兆ウォン以上にもなり、毎年10%以上の成長

 -炭酸飲料は7千億ウォン程度の市場で、毎年20%程度の増加、ジュース飲料は6千億ウォン規模の市場、毎年30%以上の売上額増加

 -その他飲料は無果汁、缶コーヒー、ミネラルウォーター、スポーツ飲料などがある

〇酒類の種類

 -発酵酒:デンプンや糖分を酵母で発酵させた酒

・薬酒類:米と植物系薬剤を原料に製造

 ・果実酒:果実を発酵させ製造

 ・ビール:麦とその他デンプン質を糖化後、発酵

 -蒸留酒:糖分やデンプン発酵後、蒸留

 -酒精:糖蜜やデンプン質などを発酵させ蒸留製造

 -焼酎:蒸留式焼酎、希釈式焼酎

 -一般蒸留酒:キビ、トウモロコシなどを発酵し蒸留製造

 -ウィスキー:麦、その他穀類を発酵、蒸留

 -ブランデー:果実を発酵させ蒸留

 -リキュール酒とその他の精製酒

〇韓国の酒類動向

 -韓国の酒類市場規模:年間8兆ウォン

 ・焼酎:1兆8千億ウォン、ビール:3兆1千億ウォン、ウィスキー:3兆ウォン

-焼酎:70~80年の歴史を維持

 ・低アルコール焼酎の動向:市場シェア85%

 ・ビール:税率15%引き下げ、焼酎税率の引き上げでビール消費が増加

 -伝統薬酒:10年ほど前から始まり、毎年商品増加の傾向

〇韓国の高アルコール焼酎の消費世界最大

  -WHO151か国の報告書

 ・韓国は経済協力開発機構(OECD)30か国のうち、アルコール消費1位

 ・OECD加盟国の平均消費量の5、6倍

 -韓国の15歳以上の人口1人当たり、年間14.4L消費、高アルコール消費量12L

 -韓国酒類市場規模

 ・ウィスキー:毎年20%程度、ビール:8%、焼酎:14%増加の傾向

〇覆盆子餅の製造工程

 -材料:米3kg、覆盆子1㎏、栗、なつめ、大豆、黒ゴマ、砂糖

 -作り方

 ・米を水に浸漬し、ふやかした後、2回製粉

 ・覆盆子は粉砕機にかけ、種を除去、エキス抽出

 ・栗は皮をむいて食べやすい大きさに切り、なつめはそのまま切る。大豆、黒ゴマを準備する。

 ・砕いた米粉に覆盆子エキス、砂糖を合わせ、蒸し器に入れる。準備しておいたその他材料をのせて蒸す。

〇覆盆子ジュース製造工程

 -準備物:覆盆子500g、水2L 、砂糖、クエン酸、ろ過布、容器

 -作り方

 ・覆盆子は粗く粉砕(ミキサー30秒)

 ・加熱容器に覆盆子と水を1:2で入れてゆでる

・ゆでたら冷まし、ろ過布で種と果肉を除去

・濾した果肉に水を1:1で加え、再度加熱

・煮て絞った液を合わせ、お好みの量で砂糖とクエン酸を添加する(砂糖120g、酸5g)

・煮沸殺菌後、冷蔵保管

〇覆盆子ジャムの製造工程

 -原理:ペクチンの凝固性を利用し、果汁または果肉に砂糖を加え濃縮

 -ゼリー化の標準比率:ペクチン1.0-1.5%、糖6.0-6.5%、酸0.3% 

 -準備物:ステンレス鍋、温度計、コップ、容器、糖度計、イチゴ、砂糖

 -作り方

 ・ミキサーにかけ、汁を除く、または少しゆでて種を除く(ミキサー30秒)

 ・加熱容器に覆盆子と砂糖を1:1で入れて煮る(砂糖は3回程度に分けて入れる)

 ・仕上げはコップとスプーンテストで行う方法、温度を104℃に上昇させ、完成させる方法、糖度計で糖度検査し65%で完成させる方法

 ・完成したジャムを80~90℃まで冷却、気泡を除きすぐに密封

 ・殺菌は熱いうちに密封すれば必要ないが、長期間保存するには100℃で5~6分殺菌し冷却

〇覆盆子の丸薬製造方法

 -準備物:ミキサー、自丸機、製丸機、整丸機、覆盆子ほか4種、ハチミツ、もち米糊(小麦粉糊)、噴霧器など

 -作り方

 ・韓方で相性が良い5種の原料を選定、乾燥(水分10%以下)、粉砕

 ・計量後、粉末原料を混ぜ、ハチミツ、もち米などを合わせローラーで複数回こねる。

  自丸機で一定の形にしたら、くっつかないように小麦粉をふる

 ・切断機で丸の形に切断し、製丸したら型に入れて丸く整え、丸薬の表面に水を振って小麦粉を取り除く。

 ・熱風乾燥機で乾燥(40~50℃、3~5時間)

 ・コーティングするためにハチミツと水を1:1で合わせ、丸製型に入れ、噴霧器で吹きかけた後、乾燥

〇自家製覆盆子酒の製造工程

 -準備物:覆盆子5㎏、砂糖1㎏、焼酎1.8L・25%を10本、容器

 -作り方

 ・覆盆子5㎏を潰し、砂糖1㎏を入れて1日発酵

 ・発酵後、焼酎25%10本を入れ、90日保管し抽出

 ・90日後、抽出が完了したら目の粗い布を使って果肉と種を除く

 ・ろ過後、ガラス瓶や壺に入れ低温で熟成

 ・アルコール度数は20%程度の覆盆子酒が完成

Ⅴ.覆盆子の学術試験研究結果

  • 学術試験研究 担当教授陣

〇キム・ソニョ教授(慶熙大学東西医学部大学院)

 覆盆子抽出物の退行性炎症疾患抑制活性の究明と応用研究

〇アン・ヨンジュン教授(ソウル大学生命科学学部)

 覆盆子の抗酸化作用とヘリコバクター・ピロリ抑制活性物質の探求と開発

〇ペク・ベギョン教授(チョンブク大学医学部)、チョン・ビョンフン教授(ウォンガン

大学韓医学部)

覆盆子の性機能障害改善と試験

  • 覆盆子学術試験結果

〇退行性炎症疾患抑制活性と関節炎への特効(慶熙大学 キム・ソニョ教授)

-退行性炎症疾患、脳卒中による麻痺症状、痴呆、痛風、関節痛に卓越した治療と予防

 効果が見られた。

-覆盆子の未熟・完熟の実、葉、種子のうち最も優れた抗炎症効果は、葉の抽出物であ

った。マウスに薬物投与し炎症を起こしてから覆盆子を投与した結果、体内の尿酸を

除去し、炎症反応を抑制する優れた効果が見られた。

-また、脳に傷害を与えてから覆盆子の抽出物を投与、反応を観察した結果、神経毒を

抑制し、痴呆や脳出血による麻痺症状の予防、治療に優れた効果が見られた。

〇抗酸化作用(ソウル大学 アン・ヨンジュン教授)

  -抗酸化とは、一般的に体内の活性酸素を除去し、老化と疾病予防する作用のことであ

る。覆盆子を部位別に抗酸化効果を確認した結果、未熟果、中熟果、根からも優れた

効果が見られた。抗酸化成分としてよく知られているビタミンCより2.5倍も高い中

和効果があり、老化防止、疾病予防など、多様な機能があることが確認された。

 -実の未熟果と中熟果だけでなく、枯葉や枝、根にも抗酸化効果が顕著に見られ、副産

物を利用した抗酸化製品が開発できる可能性がある。

 -黒い色素から抽出されるアントシアンは、人体の老化防止、抗酸化中和作用が高い。

〇ヘリコバクター・ピロリ抑制活性(ソウル大学 アン・ヨンジュン教授)

 -ヘリコバクター・ピロリは、胃炎、胃潰瘍、また胃がんを引き起こす細菌の一種で、

  韓国でも成人の約8割以上が感染しているが、覆盆子を投与すると、有害細菌がほぼ

  死滅した。0.5mg/discの低い濃度でも20㎜のクリアゾーンが見られるほど、優れた  

  活性を示した。主成分はDibutyl phyhalateで、活性量を測定した結果、活性度合は

濃度に関係なく、高い効果が見られた。

〇腸内細菌の抑制活性(ソウル大学 アン・ヨンジュン教授)

 -パーキンソン病を誘発する原因の一つとして知られる腸内細菌Clostridium

perfringensと、一般的な有害細菌として知られているE.coliの試験で、有害菌に

対する抑制なしでも有害菌はほぼ死滅した。長期的、持続的に服用するのに良い食品

であることが期待される。

〇抗がん活性(ソウル大学 アン・ヨンジュン教授)

 -抗がん効果は部位別試験の結果、未熟果と落葉抽出物ががん細胞を破壊し、根と枝な

どからも高い効果が見られた。部位別の利用方法によっては、将来的に抗がん効果が

大きく期待できる。

〇性機能の治療効果(チョンブク大学 チョン・ビョンフン教授、ウォンガン大学 チョ

ン・ビョンフン教授)

-覆盆子はその名前からもわかるように、食べると利尿効果が強く出るようになり、尿

瓶がひっくり返るほどの強精効果も科学的に証明されている。

 -覆盆子の果汁をマウスに投与し、5週後に男性ホルモンであるテストステロン量の変

化を調べたところ、約16倍も増加し、覆盆子が人体の活性化と老化防止に非常に大

きな効果があることが立証された。

 ※男性ホルモンのテストステロンが多いほど、男性は活力にあふれ健康で体力を維持で

きる。女性には、肌をきれいに、柔らかくする効果がある。

 ※覆盆子を5週間マウスに投与した結果、0.345ng/mlから7.486/mlと、16.1倍増加し

た。

 ※覆盆子酒は酒を好む男性への効果が高く、酒に弱い女性や虚弱体質の人、学生、子供

にも覆盆子飲料、エキスが効果がある。

Ⅵ.覆盆子関連の産業財産権

1. 特許出願と登録状況

産業 財産権名 出願名称 登録日 (出願日) 登録番号 所有権者 (出願人) 備考
商標 高敞ソンウン産覆盆子 (デザイン含む) (5分類、44品目) 2004.05.06 特許 第05811972号 高敞郡 登録完了
特許 覆盆子エキスの抽出方法 2002.10.07 特許 第0357472号 高敞郡 登録完了
特許 覆盆子を含む低アルコール酵素飲料とその製造方法 (2003.3.8) 特許 (高敞郡) 登録完了
特許 抗炎症活性効果がある覆盆子葉の抽出物を含む造成物 (2004.1.27) 登録進行中 (高敞郡) 出願完了
特許 神経細胞損傷保護、活性効果のある覆盆子抽出物を含む脳疾患の予防と治療用の造成物 (2004.1.27) 登録進行中 (高敞郡) 出願完了
特許 覆盆子の木の抽出物、またこれに由来する化合物を含む抗酸化性の造成物 (2004.3.4)) 登録進行中 (高敞郡) 出願完了
特許 覆盆子の木の抽出物、またこれに由来する化合物を含む抗ヘリコバクター造成物 (2004.3.4)) 登録進行中 (高敞郡) 出願完了

2. 覆盆子商標特許登録(覆盆子ブランド)

〇2004年5月6日 特許庁登録

〇登録番号:特許第05811972号

〇高敞ソンウン産の覆盆子の商標は、高敞郡の条例第1651号により管理される商標として、高敞郡で生産される覆盆子のみを使用し加工、製造した生産品にのみ使用

〇商標使用許可業者(2004年12月現在)

 -高敞営農組合法人

   商品名:覆盆子鶏卵

 -シャローム餅工場(シャロームベーカリー)

   商品名:覆盆子餅、団子、餅、カステラ、ロールケーキ

 -高敞韓菓営農組合法人

   商品名:覆盆子韓菓

構成

・翻訳文章から、物語、歴史、効能などのうんちくをつらつらと書く

・「森の畑」がどのような経緯で覆盆子を導入したかを説明する

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