覆盆子 農園紹介

覆盆子酒のお酒 | 神話になった伝説の酒

覆盆子のお酒

当農園では、日本で初めて覆盆子(ふくぼんし)と呼ばれるブラック・ラズベリー種の苗木を検疫所にて検査し輸入しました。

100本の覆盆子の苗木が2006年の12月に韓国から日本の横浜港に降り立ち、横浜植物検疫所にて日本の土壌に適合するかどうかの検疫テストが行われました。

1年後の2007年12月に検疫検査の結果、たった2本の苗でしたが生存が確認され、見事合格基準を果たすことができました。

覆盆子は朝鮮人参と並び、韓国で美容健康に大変良いとされる植物です。その実は高い抗酸化作用を持つ赤ワインだとされ、滋養強壮のための健康食品として現地の人々から愛されています。

本記事では、本場の韓国から取り寄せた覆盆子酒にまつわる解説資料の翻訳版を以下に掲載いたします。

覆盆子酒にまつわるお話

昔々、あるお爺さんがおりました。

お爺さんが薪を取りに山へ入り、食べごろに熟した美味しそうな木の実を見つけました。

その実をたらふく食べて家に帰ったところ、年をしばしば催していた尿意がすっかり良くなり、若かった頃の精力が戻ってきました。

特に小便の勢いが強く、尿瓶が倒れるほどでした。

よくあるパターンの話だが、特に全羅北道の高敞に伝わる話の多くが、平凡に暮らしていた人が山に登り、偶然見つけた実を食べて健康になったというものだ。

ある人は虚弱だった体が健康になり、またある人は年齢を重ねても若者に負けず、体が丈夫になる。

しかし、これらの話に共通して「山イチゴ」として登場するその実は、食べた人が皆健康になり、特に小便をする時に尿瓶が倒れるほど、とある。

このため人々は「山イチゴが尿瓶をひっくり返した」といい、この実を「ひっくり返す」という意味の「覆」と「甕や瓶」を意味する「盆」を合わせて「覆盆子」、すなわち「尿瓶をひっくり返す種子」と名付けたといわれる。

昔から伝わる健康酒

本当にこんな話があったのか、覆盆子酒の販売会社が覆盆子に神秘性を持たせようとした作り話なのかは分からないが、覆盆子が体に良いことは事実である。

韓方では昔から薬として使われており、東医宝鑑にも「男性の精力不足、女性の不妊に効果あり」また「男性機能の向上、視力回復、気力回復、だるさの軽減効果」とある。

また別の古い記録には、朝鮮王朝実録の世宗12年(1429)に、ある臣下が朝鮮国内の薬草を調査したところ、薬効が判明したものの中に覆盆子も含まれていたという。

また、中宗34年(1539)の記録には、覆盆子を宮内で栽培していたと思われる内容が残されている。

これらの記録から、覆盆子の薬効は単純に商術から生まれたものではないことが分かる。

イチゴ類には、山イチゴ、覆盆子イチゴ、エビガライチゴ、ナワシロイチゴ、サナギイチゴなど、約200種類があるが、最もよく知られているのが山イチゴと覆盆子である。

覆盆子が山イチゴと異なる点として、山イチゴは幹が赤茶色で、実は熟すと赤くなるのに対し、覆盆子の幹はまるで小麦粉をまぶしたように白く、実が熟すと赤黒くなる。

すなわち、覆盆子が山イチゴの一種であるという俗説は誤ったものであり、厳密には山イチゴと覆盆子は異なるものである。

覆盆子を使った覆盆子酒が近年関心を集めているが、韓方では昔から発酵酒に浸して薬として使ったり、発酵酒と混ぜ混合酒として服用したりしてきた健康酒の一つである。

ところが近年「ウェルビーイング」の影響からか、覆盆子が消費者の人気を集める一方、酒類メーカーのマーケティングにも変化がみられる。

既存の酒類メーカーのマーケティングは、主にサラリーマンのストレス解消や哀歓のお供になるものであったが、最近では酒であれば何でも良いわけではなく、健康に気を使いながら飲もうという風潮が高まっている。

斗山の「雪中梅(ソルチュンメ)」、寶海釀造の「魅醉純(メチスン)」、麴醇堂の「サムギョプサルに梅一杯(サムギョプサレ メシルハンジャン)」など梅酒類が台頭し、梅酒に純金を入れた「純金梅酒」も発売された。

また最近は果実酒をさらに進化させた、いわゆる「薬酒」が次々と発売されている。

斗山の「國香(クッヒャン)」、天然のマツタケで作った「天然マツタケ酒」、王室の秘法で作った「グン酒」などの薬酒製品である。

寶海では「西便制」という薬酒を、百歳酒で有名な麴醇堂からも「イジュフク酒」という伝統薬酒を発売した。

麴醇堂の代表的な製品「百歳酒」は、「始まりは良いお酒から」というキャッチコピーで、百歳酒が体に良いことを強調している。

しかし、梅酒、清酒などは景気低迷のなかで毎年約25%、市場が縮小している。

薬酒も例外ではなく、「百歳酒」を除く製品は成長が限界に達し低迷気味であるのに対し、95年から出現した覆盆子酒市場は、毎年30%以上成長するという異変を見せている。

そのため、現在は500憶ウォン市場にまで拡大し、覆盆子酒の生産メーカーも大小300余りに達した。

これにより、現在覆盆子酒は、ビール、焼酎、ウィスキーに続く4番目の2500憶ウォン規模に達する伝統酒市場を牽引している。

覆盆子酒は果実酒としての特性と薬酒としての特性を併せもつ。

天然の果実で作った果実酒という点、昔から薬酒に使われてきた材料で作った、体に良い酒という点が、ヨガと瞑想に目覚め、天然素材に価値を感じる世代にはまったのである。

しかし、覆盆子酒はいきなり酒類市場の注目を集めたわけではない。

2001年に現代グループの故チョン・ジュヨン名誉会長は、58回目の誕生日を迎えるキム・ジョンイル委員長に覆盆子酒を3本贈り、2000年ソウルで開かれたASEM(アジア欧州会合)の宴会場では、乾杯の酒として使われたりもした。

このように覆盆子酒は少しずつ話題の酒として知られるようになり、そこにウェルビーイングブームが到来したことで、覆盆子酒は酒類市場のスターとなったのである。

女性をとりこにした赤い酒

覆盆子酒は女性人気が高い。

実際に、ここ数年の酒類メーカーのマーケティングは健康だけでなく、さっぱりして飲みやすいことを強調するものが多い。

酒類メーカー眞露の代表製品「チャミスル」だけでなく、寶海醸造の「イプセ酒」、麴醇堂の「百歳酒」なども女性芸能人を使い、クリーンなイメージづくりをしている。

女性芸能人の酒類広告が登場し始めたのは、これらの広告が酒類製品の従来の消費者である男性にアピールするだけでなく、クリーンなイメージが、新たな顧客層となる女性に向けたものでもあったからである。

女性が徐々に社会進出し、酒の席に出る回数が増えたことを受け、マーケティングも女性中心のものとなってきている。

覆盆子酒が広まったことも、半分は女性に好まれたためだと言える。

覆盆子が体に良いという特性だけでなく、覆盆子酒の味とワインのような赤い色が、女性の心をつかんだのである。

だからといって、覆盆子酒の消費者は女性だけではない。

覆盆子酒は、その色と香りで女性人気を得たが、覆盆子は昔から男性の精力に関わる素材であっただけに、男性客の関心も少なからず集めてきた。

特に禪雲山(ソンウンサン)覆盆子酒は、名称を「サンメス」とし、「1杯飲んでも貴重な酒」というキャッチコピーを付け、「健康」の側面により焦点を当てている。

製品自体は女性客の目を引くように思えるが、広告は女性より男性をターゲットにしている。

広告も若い女性ではなく、魅力ある熟年男性のイ・ジョンギルを使っている。

高敞(コチャン)といえば思い浮かべる孝行商品、覆盆子酒

多くの酒類メーカーが覆盆子酒を生産しているが、元祖といえば1994年に酒類加工を開始した禪雲山覆盆子酒だろう。

しかし禪雲山覆盆子酒の話をするには、高敞郡について語らないわけにはいかない。

禪雲山覆盆子酒が「元祖」覆盆子酒となったのには、高敞郡と高敞の覆盆子試験場の数年にわたる隠れた努力があった。

1998年、高敞に韓国で唯一の覆盆子試験場ができた。

高敞郡が1996年に建設を開始し、1998年末に完工した覆盆子試験場は、当初は高敞の人々の賛同をあまり得られなかった。

その当時、覆盆子はまだ農業で使われない余った畑や、土質が良好でない空き地に植える植物だったためである。

そのため覆盆子試験場が初めに行ったことは、覆盆子を体系的に栽培する技術を農家に普及させることだった。

そのおかげで、1998年以前に1ha当たり約320㎏に留まっていた覆盆子の生産量が、2002年には1ha当たり500kgまで増加した。

覆盆子の栽培面積も毎年2倍ずつ増えた。

以前は植えれば育てるものの、植えなければ関心も持たれなかった作物が、今では高敞の主要な収入源になっているのである。

しかし、単純に栽培量だけが増えたのではない。

覆盆子商品化のための努力は休みなく続けられていた。

特に高敞の村で祭りがあると、覆盆子試験場の職員たちは広報活動のため、あちこちを回りながら覆盆子ジュース、覆盆子マッコリ、覆盆子餅など、多くの製品を作り配布していた。

このように、「高敞覆盆子」のブランド化に向けた努力があり、同時に禪雲山で高敞覆盆子を使用し製造した覆盆子酒を発売したことから、韓国の人は「覆盆子」といえば高敞と禪雲山覆盆子酒を連想するようになったのである。

そのため、一時は覆盆子の注文が全国各地から殺到したが、量が限られており、すべての注文を受けられない状態になったこともあった。

1990年代中盤、設立当時には年間売上額が4~5億ウォンしかなかったが、2000年前後にはASEM会談の乾杯酒に採用され、売上が20憶ウォンを超えることもあった。

高敞覆盆子が有名になり、高敞郡の外部地域にある覆盆子酒の工場でも原料として高敞覆盆子を買上げようとした。

覆盆子の価格は以前に比べ高騰し、覆盆子酒の人気も冷めることはなかった。

しかし、覆盆子市場は明るい話題ばかりではなかった。

高敞以外の地域で覆盆子栽培が増え始め、覆盆子酒の販売が徐々に熾烈になってきたのである。

そして営農技術の不足が原因で、需要に生産が追い付かない状況にもなっていた。

まだ道のりは長い

高敞郡は1993年に初めて、覆盆子酒の事業を開始した。

有名な禪雲山覆盆子は1994年に酒類加工が始まった。

高敞だけでなく、淳昌(スンチャン)、金堤(キムジェ)などでも覆盆子を生産しているが、その生産量は降水量、気温などにより変わるため、安定しない。

1年に1度、6月中旬から下旬にのみ収穫する覆盆子を、加工業者が確保しなければ覆盆子酒を生産できないのだが、収穫量が少なければその分、確保は難しくなる。

しかも覆盆子は価格がブドウより10倍ほど高いのに対し、果汁はブドウよりも少ない。

このため覆盆子ワインを作るのは容易ではない。

収穫量が少ない時は、覆盆子酒の加工メーカーでも高敞の郡守たちの縁故を頼ったり、作目課を訪ねて来て覆盆子を分けてほしいと言い始めたりする事態も起こっている。

覆盆子酒市場の競争激化

覆盆子が市場の注目を浴び、生産全体の63%ほどを農業に依存している高敞郡にとって、覆盆子は悩みの種以外の何者でもない。

人気を得るよりも、それを維持するのは更に難しいもので、特に高敞郡には苦い経験がある。

一時期、高敞郡は落花生の産地として有名だったが、輸入落花生の影響を受け厳しい状況となった。

また全国的に評価されていた高敞スイカも、他地域、特に高敞周辺でスイカ栽培が急増したことから、高敞のスイカ栽培面積は半分に激減したりもした。

人気の農産物は皆が栽培したがるため、供給過多が発生するのだ。

このため、高敞郡は覆盆子の人気がいくら高まっても安心できない。

現在覆盆子はkg当たり6000~8000ウォン以上で売れる高価値、高収益の商品であり、栽培面積も増えているが、最近は大手酒類メーカーの寶海醸造が覆盆子酒事業に参入したことで、覆盆子酒産業の構図が変わってきた。

さらに高敞郡以外の地域で覆盆子の生産が徐々に増えているため、高敞郡の心配も大きくなっている。

現在、覆盆子の加工所は、準備中のものを含め韓国内に400か所にもなる。

高敞だけでも酒類加工が5か所、韓菓1か所、ジュース1か所があり、準備中のものまで含めると100か所余りになる。

覆盆子加工の酒類メーカーは全羅北道の高敞だけでなく、井邑(チョンウプ)、淳昌(スンチャン)、智異山(チリサン)など、韓国に220か所ある。

これに覆盆子のジャム(ボグムチャリ:京畿道安山)、飲料(オットゥギ)、茶(サンファ漢陽食品:忠南 論山)、補命伝統茶市場を合わせると、その数は何倍にもなる。

覆盆子が酒類市場だけでなく、加工食品市場でも広く求められているのである。

覆盆子酒も本格的なマーケティングを

覆盆子酒の人気は短期間で急上昇した分、短期間で終わってしまう可能性も高い。

焼酎やビールのように、長期間にわたって多くの人々から愛されるようになるには、大々的なマーケティング戦略が必要である。

実際、焼酎やビールは長い年月をかけて消費者が目にしてきたものであるため、消費者の認識自体が、「酒」といえば「焼酎」または「ビール」を思い浮かべるようになった。

今は酒類市場の勢力図が焼酎やビールから洋酒、薬酒など多様にシフトしており、単純に長期間販売したからといって、長期間生き残ることは難しくなっている。

このため、筆者は覆盆子酒が麴醇堂の百歳酒のマーケティングをベンチマークすることを勧めたい。

麴醇堂の百歳酒は焼酎やビールに比べ歴史は浅いが、焼酎やビールに続くと言えるくらいにまでに成長した。

その人気もまた、短期間で終わるのではなく、地道に続いているのである。

その理由は麴醇堂が繰り広げた大々的な宣伝、マーケティングにある。

まず焼き肉屋に行くと、「麴醇堂」と印字されたウォーターピッチャーが必ずあり、壁に百歳酒のポスターが貼られていない店はほとんどない。

そして酒類メーカーとしては初めて、インターネット上に「百歳酒村」というホームページをつくった。

既存の焼酎やビールが、消費者に一方通行で供給する形であったとすれば、百歳酒は供給者と消費者、両者の意思疎通を重要視したのである。

「百歳酒村」の影響からか、百歳酒は薬酒であるにも関わらず、若者の人気を集めている。

さらに価格が焼酎やビールに比べ高いため、爆弾酒など「混ぜる酒」が一般化する流れの中で、焼酎と百歳酒を半分ずつ混ぜたパロディー酒、「五〇歳酒」が生まれたりもした。

覆盆子酒も百歳酒のマーケティングをベンチマークすれば、より長く人気を得られるはずである。

しかし禪雲山覆盆子酒のように、地方の零細企業では大々的なマーケティングが難しいため、他の零細企業との合作、または合併をするのが良いと考える。

実際、寶海醸造が覆盆子酒市場に参入し、勢力図は寶海醸造のほうに傾いていると言っても過言ではない。

この状況で寶海醸造に続くためには、複数の零細企業が力を合わせなければならない。

例えば禪雲山と金堤で覆盆子を生産し、別の場所で加工し酒を製造する分業化も可能だろう。

また零細企業間の資本を合わせれば、ソウルの居酒屋や焼き肉屋などに向けて、大々的な広報活動をすることもできるだろう。

このまま王座を奪われるわけにはいかない

高敞では、覆盆子酒は孝行商品から悩みの種に変わった。

市場では人気が高まっているが、そこに覆盆子の生産量を合わせるのが困難で、覆盆子酒の加工メーカーと生産者間の葛藤も徐々に深まっている。

そして他地域の覆盆子、覆盆子酒の生産が増えており、最近では寶海醸造のような大手酒類メーカーが覆盆子酒の販売に参入したことで、高敞郡は覆盆子酒の元祖という肩書きでアピールすることもできなくなった。

「高敞覆盆子」のブランド化が急務となったのである。

覆盆子の地方祭り

近年、生産者たちは差別化のため、覆盆子酒に覆盆子の産地を表記するというが、消費者に産地はあまり伝わっておらず、産地による味の違いもほとんどないことから、有名無実化しているのが実情である。

であれば、「淳昌(スンチャン)コチュジャン」や「全州(チョンジュ)ビビンバ」のように、「高敞覆盆子」という単語を使用するように仕向ける必要がある。

そのためには、覆盆子を高敞とつなげ、「高敞覆盆子祭」を開催してはどうだろうか。

最近では「ボリョンモード祭」、「全南務安白蓮祭」など、地方の祭りがマスコミに取り上げられるようになり、人気が高まっている。

「高敞覆盆子祭」は、人気を集めている覆盆子酒とともに、高敞郡を覆盆子のふるさととしてPRすることができる。

さらに、覆盆子酒が健康的な酒であることを中年夫婦に向けてアピールでき、味と色の美しさは若者層にも十分受け入れられることから、ターゲット層が広いというメリットもある。

これに覆盆子狩りの行事、禪雲山覆盆子酒の工場見学など、様々なイベントを行えば、高敞覆盆子のブランド化は可能であり、売上も増加するだろう。

日本の代表的な酒類メーカー「サントリー」も、このようなマーケティングで多くの消費者を獲得してきた。

サントリーの酒類工場周辺には広大な森林が広がっているが、その環境は環境にやさしい企業であることをアピールするサントリーのコンセプトに合致するだけでなく、肯定的なイメージを生み出す一石二鳥の効果がある。

そして工場見学もできることから、消費者はサントリーの酒類生産工程を直接体験できるのである。

これら一連のマーケティング活動により、サントリーは社会的に最も尊敬される企業になったと言っても過言でない。

サントリーのマーケティングを参考にすれば、高敞の覆盆子酒が市場で一番になる可能性は十分にある。

たとえ寶海醸造のような大企業が参入したとしても、高敞郡と覆盆子酒のメーカーが協力すれば、確実なシナジー効果を生み出すことができるだろう。

明確なポジショニングが必要

実際、覆盆子酒は製品だけで差別化するのは難しい。

他の覆盆子酒に比べ味が特別だったり、特に認知度が高くない限り、消費者は金堤覆盆子でも高敞覆盆子でも、その違いを感じることはできないだろう。

結局、消費者は低価格のほうを選ぶことになり、市場の価格競争に巻き込まれる。

このような身を削る価格競争は避け、禪雲山覆盆子酒が市場で優位に立つには、やはり大々的なマーケティングが必要である。

現在、覆盆子酒の宣伝自体はまだ少ない。

消費者は口コミで覆盆子酒を認知しているが、まだテレビⅭⅯなどはほとんど放送されていない。

このような状況では、消費者の認知経路は主に、大型ディスカウントストアでの販売を通じたものになるだろう。

しかし現在、イーマートなどのディスカウントストアの棚は、大手の寶海醸造の覆盆子酒が大部分を占めており、消費者は寶海醸造の覆盆子酒だけを認知してしまう。

禪雲山の覆盆子酒が元祖だとはいえ、消費者に認知されているのは寶海醸造のほうなのである。

禪雲山の覆盆子酒が進むべき方向性は2パターンある。

上記で言及したように、他の零細企業との合併により寶海醸造との市場勢力図を傾けることが一つ、もう一つは「高級」覆盆子酒としての地位を確立することである。

しかし、食品を高級化するためには材料が高級でなければならず、作る人や企業も良いイメージでなければならない。

また地道な研究開発を通じ、製品群を多様化させ、消費者を引き付ける努力も必要である。

しかし禪雲山覆盆子酒は、寶海醸造のものより素材が良いと思われているわけでもなく、禪雲山でも元祖ということ以外にはよく知られたメーカーというわけでもない。

禪雲山覆盆子酒は、寶海醸造と競うほか道がないのである。

ハムピョンチョンジ覆盆子営農組合は、既存の覆盆子酒と差別化し、ワインのように製造する「レッドマウンテン」で競争力を強化している。

「レッドマウンテン」は最近全南道が開催した全南地域の伝統食品ベスト5を選ぶ大会で、伝統酒部門の銀賞を受賞した。

これに伴いテレビのホームショッピングなど各種の販促行事はもちろん、広報活動やマーケティングの支援を受けることができた。

「レッドマウンテン」は去る5月初めに販売を開始し、口コミもあり、これまでに約10万本が売れた。

これは今後、禪雲山覆盆子酒や他の小規模メーカーが、大企業に対抗する方法を示したものと言えるだろう。

若者と老年層をターゲットにした多様な製品群の構築

禪雲山覆盆子酒はタレントのイ・ジョンギルを使い、「貴重な酒」というコンセプトを打ち出した。

しかしそれ以外の若者をターゲットにした製品群も構築してはどうだろうか。

現在、寶海醸造は覆盆子酒のコンセプトを若者よりも3、40代の中年層だけに合わせている。

そのため、禪雲山覆盆子酒はまず若者向けコンセプトの製品群を揃え、さらには既存製品より高級なイメージの老年層を狙った覆盆子酒を発売するのも悪くないだろう。

このところオリンピックやワールドカップなどで、多くの若者が海外より自国の製品に関心を持つようになった。

この流れに乗って、若者には「韓国産ワイン」というコンセプトで新しい製品群を披露し、ボトルデザインや包装、酒の成分をより高級化し、最高級の覆盆子群を老年層に対して販売するのである。

現在、覆盆子の出荷は6月に、生産は9月に主に行っており、需給がうまくかみ合わない現象が続いているが、老年層を対象にした製品群の場合は、現在のように供給を減らすことで、禪雲山覆盆子酒をより高級に見せることができる。

9月や10月にのみ、数量限定で最高級の覆盆子酒を生産するのである。

韓国のワイン、覆盆子酒

覆盆子酒は酒類市場の花になった。

その王座を誰が占有するのかによって、酒類業界の勢力図が変わるかもしれない。

大企業は企業の知名度とブランドを表に出し、中小企業は地方の郡庁と協力しながら、覆盆子酒の競争を繰り広げたとすれば、その勝敗を予想するのは簡単なことではないだろう。

将来的に、酒類業界でダビデがゴリアテに勝つ結果になるのか、はたまた糠に釘となるのか、注目される。

しかしどの会社が王座についても、これらの競争を見守る側としては、覆盆子酒が世界的な酒に成長することを期待したい。

フランスはワインのみで毎年数千憶ウォンの所得を生み出しており、それに伴う観光収益や国家のイメージなども視野に入れながら、毎年数兆ウォンの付加価値をつくり出しているという。

短期間で成長するのは難しいが、覆盆子酒が韓国のイメージだけでなく、観光収益、輸出などのシナジー効果に派生する足掛かりとなることを期待している。

参考資料

www.bokubunjawine.co.kr
www.bohae.co.kr
www.gochang.go.kr
「全国の酒市場を覆す高敞郡の禪雲山覆盆子酒」朝鮮日報(2002-03-02)
「高敞覆盆子産業2 覆盆子加工の現況」 高敞コリア
「酒類市場のシンデレラ、覆盆子酒」 オーマイニュース(2004-07-28)
「<客員記者 ホ・シミョンの酒造り村を探して> 覆盆子酒~ワイン天下を覆せ」 文化日報(2004-07-08)
「全北覆盆子酒メーカー 寶海流通進出に不安」 中央日報(2004-06-29)
「ワインのような覆盆子酒 若者層、女性に人気」 中央日報(2004-07-26)

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